パソコンによる財務会計システムの活用は、今や不可欠です。とは言え、仕事以外で財務会計システムに触れる機会はなかなか無いもの。もし、入社先の企業で、これまで使ったことが無いシステムを使用することとなったら、不安な気持ちになるかと思います。
いざという時のために、基本的な操作方法くらいは最低限知っておきたいもの。全国の商工会議所や資格の専門校、民間会社では、財務会計システムをこれまで使ったことがない方向けに、様々なセミナーを開講しています。
この記事では、中小企業向けの財務会計システム講座・勉強会にはどのようなものがあるか、大きく4パターンに分けてご紹介します。
日本商工会議所の中小企業向けセミナー
日本商工会議所は、全国515の拠点をもつ特別認可法人です。中小企業の振興や、地域産業の推進を目的に活動しており、日商簿記検定などの検定試験も実施しています。
日本商工会議所では、個人事業者や中小企業を対象とした経理指導を行っています。その一環として「会計ソフト研修会」という研修会を、全国で定期的に開催しています。使用する財務会計システムは主に弥生会計です。
費用は5千円-1万5千円ほどで、内容は財務会計システムの入力方法や、試算表・決算書の作成、固定資産管理機能の操作方法など、経理業務にあたり覚えておきたい事がひととおり詰まっています。
税務署の記帳指導を利用する
税務署では、年に1回の確定申告シーズン前に、「記帳指導」を実施しています。これは、「記帳のやり方を教わりたい」すべての人」を対象に、税理士や民間の指導員から無料でアドバイスが受けられるというものです。
受講形態は「パソコンによる記帳指導」と「税理士による記帳指導」の2つから選ぶことができ、「パソコンによる記帳指導」を選ぶと、税務署周辺の会場にて、国税局が用意した体験版の会計ソフトを利用した財務会計システムの利用方法の講習を受けることができます。
なお、「税理士による記帳指導」を選んだ場合は、自宅もしくは事業所で、税理士の指導を無料で複数回受けられます。開業したてで経費を節約したい中小企業に有効です。
専門校が提供する中小企業向け研修
中小企業向けの研修でしたら、専門校が提供する講座を利用する方法があります。
資格の専門校TACでは、法人向けの研修として「会計ソフト実務講座」を提供しています。対象は中小企業の新入社員や一般社員で、財務会計システムの基本操作のみならず、経理の1年間の業務の流れや、消費税の仕組み、課税事業者・免税事業者の違いなど、実務に即した知識を体系的に学ぶことができます。使用する財務会計システムはPCA会計です。
また、中小企業向け研修とは異なりますが、資格の大原では、経理事務をめざす求職者向けに「経理事務専科」という公共職業訓練を提供しています。期間は4ヶ月で、日商簿記2級レベルの知識が取得できるほか、財務会計システムの基本操作のほか、ビジネスマナーや社会保険・労働基準法に関する基礎知識も学ぶことができます。使用する財務会計システムは弥生会計です。
財務会計システムの提供会社が開催するセミナー・勉強会
弥生会計、freee会計、マネーフォワード、キャムマックスなどの各種財務会計システムの提供会社では、一般企業向けに、自社ソフトウェアの操作方法や、経理に役立つ知識を提供するセミナー・勉強会を多く開催しています。近年はオンライン形式が主流になっています。
弥生製品セミナー
弥生製品を既に導入している中小企業向けのセミナーです。ベーシックコースとステップアップコースの2つがあり、ベーシックコースでは、財務会計システム導入時の初期設定や、日常業務における基本操作を中心に解説します。ステップアップコースでは、入力のスピードアップにつながる機能や拡張機能を解説していきます。費用は、ベーシックコースが1万8千円、ステップアップコースが8千円です。
freee会計 「クラウド会計体験会」
freee会計をまだ導入していない中小企業向けのセミナーです。freee社員が実際にデモ画面を見せながら、クラウド型財務会計システムの導入のメリットや、業務効率化の実例を紹介していきます。費用は無料です。 また、Freee会計は「アドバイザー制度」という、freeeの運用スキルを証明する資格制度を設けており、freeeアドバイザーの認定を受けた会計事務所なども、同様のセミナーを開催しています。
マネーフォワードの全体像を把握しようセミナー
マネーフォワードクラウドのサービス内容や、他社サービスとの連携効果について解説する無料セミナーです。マネーフォワードのサービス内容、業務フローの実例を知りたい中小企業に最適です。
セミナーを活用して、財務会計システムの操作スキルをアップしよう
このように、財務会計システムの操作方法については、様々なセミナーや講座があります。基本的なものから、会計業務を体系的に学べるものまで、内容は様々です。自身のスキル・経験に照らし合わせて、ふさわしいものを選んでください。