今回は管理会計の違いについて書いていきたいと思います。インターネットで管理会計と調べると良く財務会計との違いは何か?という記事を目にします。財務会計をするにあたり、管理会計とは限りなく近いポジションの業務ですが、財務会計と管轄は違いますので今回はそのあたりをご説明させて頂きます。
管理会計とは
管理会計とは何か。まずはこちらの意味やどういった役割、業務内容になるのかを説明していきたいと思います。
概要説明
まず簡単に言いますと、社内の会社の経営がどういった状況になっているかなどを把握するためにまとめる会計のことになります。財務会計と大きな違いは、財務会計は株主など社外に会計状況を公開するものですが、管理会計とはあくまでも社内向けというものになります。
役割
管理会計の役割としては、経営者が経営判断に役立てれるデータになっていることです。細かく収益や経営資源の状況を、週単位、月単位といった形で把握できるように作成するので、いつでも直近の会社の経営状況が把握できることになります。そのため成長戦略の方針や、今何にどれだけ投資をしていくかなどの裏付けデータとして利用が出来ます。
また部門が多い会社などであれば、部門ごとに収益を把握できるように出来ます。その為売上などの収益だけではなく、部門ごとの業績評価をする指標にも使えたりします。その為根拠のある指示を現場にだせるため、予算の見直し、人員導入計画、コストカットなどが適切に出来ることになります。結果として適切な会社経営に繋がり生産性向上につながっていくということになります。
業務
それでは実際に管理家計とはどのような業務をおこなっているのか。一般的に言われている業務内容は
・予実管理
・原価管理
・経営分析
・資金繰り管理
です。
これらはいずれも財務会計システムなど一般的なシステムを活用し業務を行っていることがほとんどです。
中にはエクセルを活用して管理されている会社様もあると思いますが、かなりの手間、労力がかかりますのでシステムを導入されることが一般的です。今ではそこまで費用もかからない製品も多く出ているのでアナログ管理からは脱却した方が運用が楽になるのは間違いなさそうです。財務会計システム以外でも、経営シミュレーションソフトやクラウドERPなどが管理会計システム同様の機能を持ち合わせていることがあるのでそのようなシステムもお勧めです。
またこれからを管理する部門や経理はもちろん、コーポレート部門など会社の核になる経営に関わる従業員、もしくは経営者が管理することが一般的です。
財務会計との違い
冒頭でもお伝えしたように財務会計は社外向け、管理家計は社内向けと記載しましたがもう少し細かい部分まで違いをみていきたいと思います。
目的
管理会計は、自社の経営のため。
財務会計は、社外に財務状況を伝える
フォーマット
管理会計は、指定はないがレポート形式の資料 。
財務会計は、財務諸表と決まっている
期間
管理会計は、指定はないが週、月、年が一般的
財務会計は、四半期、半年、1年となる
情報の内容
管理会計は、未来
財務会計は、過去
以上が違いになります。これら2つは違いがありますがいずれも会社の経営上必要な情報です。
それら二つの情報を中心にまとめているのが企業会計原則といわれるものです。
企業会計原則
企業会計原則とは財務会計を行うにあたって従う規範のことです。7つの一般原則と、一般原則に準ずるものがあります。
真実性の原則
正規の簿記の原則
資本取引・損益取引区分の原則
明瞭性の原則
継続性の原則
保守主義の原則
単一性の原則
重要性の原則
とくに真実性の原則が重要です。 簡単に言いますと、会計情報を虚偽の集計した内容にしてはいけないというものです。当たり前のことなのですが、世の中には粉飾決算をされる企業様も非常に多いです。残念ながら上記で述べた原則が守られていません。
メリット
管理会計は社内向けで特に定めもなく、作らなくてもいいんじゃないか?と思われてもよいデータです。ただやはり作ればメリットも多く、経営に真剣に取り組んでいる企業の多くは実施しています。
まず大きくは、今の経営状況が把握できること。肌感覚でやっているという経営者は少ないと思います。一般的には数字を追ってどういった業績になっているか、どの部分で利益が多く、どの部分で出費が多いかなど財布事情が気になるものです。そういった財務の情報が見える化になります。
そのデータと頭で計算していた内容が近くなってきたということは、経営感覚が研ぎ澄まされてきたということになります。ご自身の頭のこたえ合わせとして管理会計のデータを見比べると楽しいかもしれません。
あとはその数字を元に、事業を広げるか、事業を縮小するかなどの判断を行えるようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は管理家計とは?とよくある質問について記事にしてみました。管理会計とは、自分の会社の将来のために今の財務状況を把握するために必要なデータであるということです。こちらは何も経理のプロフェッショナルがいなくても大丈夫です。今では優れた財務会計システム、シミュレーター、ERPなどで数字を追うことが可能になっています。
もしまだ管理会計をされていないということであれば一度お試し頂くことをお勧めいたします。