伝票とは、例えば振替領収書のように、ある取引の明細を説明するために書かれた記録のことです。国税関係書類に活用されている電子台帳は、電子帳簿保存法により電子的に保存することができます。振替伝票などの証憑類も同様の措置がとられるということでしょうか。今回は、伝票の保存が電子帳簿保存法の対象となる場合とならない場合について、また、伝票を電子化することのメリットについて探っていきます。
伝票は電子帳簿保存法の対象になるのか?
振替伝票、入金伝票、出金伝票、仕入伝票、売上伝票は、いずれも会計伝票の一部を構成しています。これらの文書が国税との関連性という点で電子帳簿保存法の保存義務の対象となるかどうかは、作成された理由や事業者の処理方法によって異なります。
対象になる場合
電子帳簿保存法に関する国税庁の回答では、『売上伝票等の証憑類は、国税関係記録の記載内容の裏付けとなる追加情報を提供し、国税関係記録の補助勘定を構成する場合には保存する必要がある』としています。例えば、仕入伝票や売上伝票が仕訳帳では十分に表現できない情報を保持している場合、そのような伝票は仕訳帳を補完する余分な記録と考えられるため、保護することができます。判断基準は、仕訳帳や総勘定元帳などの主要な帳簿よりも、伝票の方が取引に関する詳細な情報が網羅的に記載されているかどうかになります。
対象にならない場合
電子帳簿保存法に関する国税庁の回答によると、『組織内部で計算・整頓するために作成された伝票は、電子帳簿保存法の対象となる国税関係帳簿データに含まれない』とされています。例えば、仕訳と伝票は同じ内容である場合があります。その結果、必要な事実はすべて仕訳帳で確認できるため、仕訳帳は電子帳簿保存法上の保存義務対象とはなりません。また、会計ソフトなどで電子的に作成されたものではなく、紙で作成された伝票は、電子帳簿保存法の適用を免れます。ただし、紙の伝票は7年間の保存が必要です。
電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法とは、税務関連の財務書類、例えば総勘定元帳、勘定科目仕訳帳、決算ファイル、発注書などを一定の条件のもとでデジタル保存できるようにした法律です。この法律で認められているデジタル保存の種類は、記帳プログラムで作成されたデータの保存に適用される「電子帳簿保存法」、紙文書をデジタル形式で保存する「スキャナ保存法」、そして最後にインターネットを介して取引情報を交換する「電子取引法」に分類されます。電子帳簿保存法は、帳簿アプリケーションで作成された証憑を保存するもので、関連する基準をすべて満たす場合に適用されます。
伝票をペーパーレスでDX化
法人や個人事業主は、電子化した請求書をどのような方法で保存するか、紙に印刷するか、電子帳簿保存法に基づく電子データで保存するか、自由に決めることができます。しかし、保存容量や管理の利便性を考えると、後者の方が望ましいと言え法的にはどちらを選択しても問題はありません。
メリット
会計ソフトで作成した国税関係の伝票は、紙で保管すると印刷やファイリングが必要になるため、保管場所の確保が必要になりますが、電子帳簿保存法の規定に基づき、証憑類を電子的に保管することで、物理的な保管場所の確保を軽減することに繋がります。
また財務会計を管理出来る会計ソフトは、検索機能などを追加して、保存された伝票データの検索性を高めることも可能です。2022年1月1日に施行された改正電子帳簿保存法により、電子帳簿記録は2つの区分に分類されることになりました。2022年1月1日施行の改正電子帳簿保存法では、電子帳簿を「優良電子帳簿」と「非良好電子帳簿」の2つに分類しています。優良電子書籍は、過少申告加算税が軽減されるメリットがあります。
優良な電子帳簿として認められるためには、取引日、合計、相手先で検索できることが必要である。さらに、1日または定義された金額の選択に基づいて検索する能力が必要である。さらに、2つ以上のレコードの詳細を組み合わせて検索する機能も必要である。これらの条件を満たすことで、優良な電子帳簿の条件を満たし、さらに経営の効率化を図ることができます。
まとめ
企業や個人事業主が発行する売上伝票などは、国税庁の附属会計帳簿に区分できる場合は、電子帳簿保存法の適用対象となります。
電子帳簿保存法が改正され、電子会計に対する規制が緩和されました。必要な書類を添付した会計ソフトと、コンピュータシステムまたはプログラムを用いて証憑を作成・保存・管理すれば、電子的に保存することが可能です。会計ソフトを選択する際には、電子帳簿保存法に対応したソフトを活用することを強くお勧めします。